Kinda Dukish (かいんだ・でゅ~きっしゅ)

「デューク・エリントンの世界」別館。エリントンに関することしか書いてません。

『サッチモ・ミーツ・デューク!』(61年4月)

野口久光氏の紹介で辿るエリントン・ディスク。

今回はサッチモとエリントンの共演盤。

そういえば、この「サッチモ」という愛称、

いま飛ぶ鳥を落とす勢いの suchmos のバンド名の元ネタである。

 

Great Summit: The Master Takes

Great Summit: The Master Takes

 

  

サッチモ・ミーツ・デューク!
 ルイ・アームストロングデューク・エリントン(Roulette)


文字通りジャズの歴史を自ら綴ってきたふたりの巨匠が共演したのは1946年にただ一度、今回はルイ・アームストロングのバンドにデューク・エリントンがピアニストとして加わるという珍しいレコーディング・セッションである(最近パリで作られた映画『パリ・ブルース』はデュークが音楽を書き、ルイが出演している)。ところで、ルイのオールスターズのバーニー・ビガード(cl)はかつてのデュークの楽団の花形奏者だったし、トラミー・ヤング(tb)もトリッキー・サムのスタイルをみせたりしてこのLPは時々デュークのトーン・カラーを見事に出してしまう。曲目は「Cジャム・ブルース」をもじった「デュークス・プレイス」「コットン・テイル」「ムード・インディゴ」「ブラック・アンド・タン・ファンタジー」「イン・ア・メロウ・トーン」などすべてデュークの有名曲である。そんなわけでこのLPはオールド・ジャズ・ファンには大変懐かしくうれしい一枚ということになる。ルイのトランペットは音色的に往年の輝きは求むべくもないが、ハートが物をいっているし、デュークのピアノが依然たる個性と風格をみせる。ゲテ物視せずに一聴をおすすめしたい。 (『レコード藝術』61年12月号)

録音は61年の4月3日、4日。

ただし、この1枚はこのときのセッションの録音をすべて収録したものではない。残りの半分は後日LPで発表されることになる。また、現在はこの2枚のLPをまとめた形のCDで発売されている。

60年代前半の異種格闘技戦の幕開けともいえる1枚。