前回 に続き、caravanのカバーを。
前回は、セッションで取り上げられるエリントン・ナンバーといえば「caravan」だ、という話をしたので、セッションの題材としてのキャラバンを挙げておく。
偶然だが、2組とも女性リーダー作である。
この頃は綾戸智「絵」という名前で活動していた。
元ネタのジャンル、共演者のいずれも幅広いが、出て来る音楽にすべて「綾戸色」なのはさすがというべきか。
#9 で川嶋哲郎とのセッションの録音を収録。
4ビートへのリズムチェンジなしのアフロ・キューバン一発のシリアスなアレンジ。裏で薄く流れるオルガンが緊張感を煽る。川嶋哲郎のテナーが大フィーチャーされており、後半では綾戸智恵がスキャットで絡む。
この曲のほかにも、綾戸智恵にはエリントンのカバーがあり、さらに綾戸智恵にはエリントンとの不思議な縁があるのだが、それはまた記事を改めることにしよう。
- アーティスト: 上原ひろみ~HIROMI’S SONICBLOOM,上原ひろみ,トニー・グレイ,マーティン・ヴァリホラ,デヴィッド・フュージンスキー
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2008/08/20
- メディア: CD
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イントロのリフからスポーツ・ジャズ全開。
テーマでシンセを使ったり、ビートチェンジを挟み込んだり、同アルバムの#1収録のSoftly~が出ちゃったりと、盛りだくさんの9分間。
「Hiromi's Sonic Bloom」の名を付けただけあって、確固としたバンドサウンドが聴けるのが嬉しい。
ただ、エリントン臭は薄い。セッションの題材として扱っているなら当然か。
ついでに、フュージンスキーの変態性も少なめなのも残念。