Kinda Dukish (かいんだ・でゅ~きっしゅ)

「デューク・エリントンの世界」別館。エリントンに関することしか書いてません。

セッションの題材としてのcaravan。上原ひろみと綾戸智恵。

前回 に続き、caravanのカバーを。

duke-ellington.hatenablog.com

 

前回は、セッションで取り上げられるエリントン・ナンバーといえば「caravan」だ、という話をしたので、セッションの題材としてのキャラバンを挙げておく。

偶然だが、2組とも女性リーダー作である。

 

friends

friends

 

この頃は綾戸智「絵」という名前で活動していた。

元ネタのジャンル、共演者のいずれも幅広いが、出て来る音楽にすべて「綾戸色」なのはさすがというべきか。

#9 で川嶋哲郎とのセッションの録音を収録。

4ビートへのリズムチェンジなしのアフロ・キューバン一発のシリアスなアレンジ。裏で薄く流れるオルガンが緊張感を煽る。川嶋哲郎のテナーが大フィーチャーされており、後半では綾戸智恵スキャットで絡む。

この曲のほかにも、綾戸智恵にはエリントンのカバーがあり、さらに綾戸智恵にはエリントンとの不思議な縁があるのだが、それはまた記事を改めることにしよう。

 

ビヨンド・スタンダード

ビヨンド・スタンダード

  • アーティスト: 上原ひろみ~HIROMI’S SONICBLOOM,上原ひろみ,トニー・グレイ,マーティン・ヴァリホラ,デヴィッド・フュージンスキー
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2008/08/20
  • メディア: CD
  • 購入: 1人 クリック: 1回
  • この商品を含むブログを見る
 

 イントロのリフからスポーツ・ジャズ全開。

テーマでシンセを使ったり、ビートチェンジを挟み込んだり、同アルバムの#1収録のSoftly~が出ちゃったりと、盛りだくさんの9分間。
「Hiromi's Sonic Bloom」の名を付けただけあって、確固としたバンドサウンドが聴けるのが嬉しい。

ただ、エリントン臭は薄い。セッションの題材として扱っているなら当然か。
ついでに、フュージンスキーの変態性も少なめなのも残念。

 

 【リンク元「デューク・エリントンの世界」「06 トリビュート関係 - カバー」