Kinda Dukish (かいんだ・でゅ~きっしゅ)

「デューク・エリントンの世界」別館。エリントンに関することしか書いてません。

若き日の「スカパラ」と「ソリブラ」のcaravan。

Caravan のカバーを挙げてみよう。

この曲は、オリエンタリズム満開のメロディもさることながら、アフロ・キューバンと4ビートのチェンジが特徴的。このリズムのチェンジが適度なアクセントになるためか、エリントン・ナンバーの中でもジャム・セッションでよく取り上げられる曲である(そういえば、ジャズ業界ではまったく評価されていない『セッション』でも、この曲が特徴的に取り上げられていた。)

 

網羅的にあれもこれも、なんてのはエリントン・ナンバーに関しては無理な話なので、テーマを限定して、局所的にみていきたい。

今回は、「その後活躍することになる若手」のカバー。 

 

まずは東京スカパラダイスオーケストラ

スカパラのキャラバンは、アレンジというか料理の仕方が素晴らしい。

東京スカパラダイスオーケストラ

東京スカパラダイスオーケストラ

 

 カバー・タイトルは「スキャラバン」=スカ+caravan。

まあ、はっきりいってキャラバンをスカで演奏してるだけなんだけど、このアレンジで、そしてこの曲名でカバーした時点で成功したも同然。若き日のスカパラのみずみずしい演奏ももちろんいいけど、一番のベストプレイは曲名。ネーミングの勝利です。


NARGOのトランペットはジャズ色濃厚でありながら独創的で、派手さはないけどうまいトランペッターだな~、とこの頃から思ってました。

あと、当たり前なんだけどドラムが青木達之で……久しぶりに聞いたら…涙。
高橋幸宏的というか、主張しない音色とグルーヴへのこだわりが伝わります。

YMOチルドレンの遺伝子を感じます。

 

同じ頃、もう一つの若い才能もcaravanをカバーしている。

 

SOLID BRASS

SOLID BRASS

 

solid brass の1st。発表は91年。

当時吹奏楽少年だった管理人は、先輩から教えられたこのアルバムに熱狂した。

caravanはサビのリズムチェンジありのカバー。

solid brassのコンセプトは「NO STRINGS」で、そのサウンドは今でも新しく響く。
その後村田陽一はキャリアを積んでいき、SOLID BRASSとしてなんとナベサダをゲストに呼んでCome Sundayをカバーするほどにまでなるのだが、響き/サウンドのインパクトはこのファーストがダントツ。
「弦楽器なし」のコンセプトを突き詰めたアレンジがとにかくとんがっている。

そして、なんといっても村上”ポンタ”秀一のドラムが素晴らしい。

 

このアルバム、なんと他に「Chelsea Bridge」もカバーしている。

アレンジャーとして、エリントン/ストレイホーンへの確かな目配せも刻まれている一枚。 

 

 【リンク元「デューク・エリントンの世界」「06 トリビュート関係 - カバー」