Caravan のカバーを挙げてみよう。
この曲は、オリエンタリズム満開のメロディもさることながら、アフロ・キューバンと4ビートのチェンジが特徴的。このリズムのチェンジが適度なアクセントになるためか、エリントン・ナンバーの中でもジャム・セッションでよく取り上げられる曲である(そういえば、ジャズ業界ではまったく評価されていない『セッション』でも、この曲が特徴的に取り上げられていた。)
網羅的にあれもこれも、なんてのはエリントン・ナンバーに関しては無理な話なので、テーマを限定して、局所的にみていきたい。
今回は、「その後活躍することになる若手」のカバー。
まずは東京スカパラダイスオーケストラ。
スカパラのキャラバンは、アレンジというか料理の仕方が素晴らしい。
- アーティスト: 東京スカパラダイスオーケストラ
- 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
- 発売日: 1990/12/01
- メディア: CD
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カバー・タイトルは「スキャラバン」=スカ+caravan。
まあ、はっきりいってキャラバンをスカで演奏してるだけなんだけど、このアレンジで、そしてこの曲名でカバーした時点で成功したも同然。若き日のスカパラのみずみずしい演奏ももちろんいいけど、一番のベストプレイは曲名。ネーミングの勝利です。
NARGOのトランペットはジャズ色濃厚でありながら独創的で、派手さはないけどうまいトランペッターだな~、とこの頃から思ってました。
あと、当たり前なんだけどドラムが青木達之で……久しぶりに聞いたら…涙。
高橋幸宏的というか、主張しない音色とグルーヴへのこだわりが伝わります。
YMOチルドレンの遺伝子を感じます。
同じ頃、もう一つの若い才能もcaravanをカバーしている。
solid brass の1st。発表は91年。
当時吹奏楽少年だった管理人は、先輩から教えられたこのアルバムに熱狂した。
caravanはサビのリズムチェンジありのカバー。
solid brassのコンセプトは「NO STRINGS」で、そのサウンドは今でも新しく響く。
その後村田陽一はキャリアを積んでいき、SOLID BRASSとしてなんとナベサダをゲストに呼んでCome Sundayをカバーするほどにまでなるのだが、響き/サウンドのインパクトはこのファーストがダントツ。
「弦楽器なし」のコンセプトを突き詰めたアレンジがとにかくとんがっている。
そして、なんといっても村上”ポンタ”秀一のドラムが素晴らしい。
このアルバム、なんと他に「Chelsea Bridge」もカバーしている。
アレンジャーとして、エリントン/ストレイホーンへの確かな目配せも刻まれている一枚。