・Clifford Brown & Max Roach, 『Study In Brown』, 1955
「ジャズ・スタンダード名演奏!」的な本・特集で、
必ずといっていいほどA列車の名演奏として挙げられる。
ブラウン・ローチクインテットらしさに満ちた、文句なしの「This is ハードバップ」な演奏。
この演奏を紹介するときによくあるのが、「ブラウニーのソロ1コーラス目が1小節少ない」とか、「ピアノソロの最後が1拍長い」とかいうコメント。
まあそのとおりなんだけど、ジャズという音楽はそういう「帳尻合わせがうまい」音楽なわけで、ことさらそこを強調することでもないような。
ただ、「言わずもがな」なことを付け加えると、「A Train」は、元々の意味は「地下鉄」なので、マックス・ローチのイントロ・エンディングの蒸気機関車の発車・到着を表現するアレンジはちょっと的を外していると言えるかもしれない。
あと、確かにハード・バップの名演奏だとは思うけど、あまりエリントン・サウンドとは関係がないような…。
極端な話、別にこの曲じゃなくてもよかったような気もしてしまうのである。
それにしてもこのクインテットのハロルド・ランドは素晴らしい!
本人には悪いけど、その後の活動がかすんでしまう。
若いうちに輝かしいキャリアを身につけてしまうのも考えものだ。