ザヴィヌルの話は少し横において、今回はエリントンのCDを安く手に入れる方法について書こうと思います。
この音楽配信が主流となりつつある時代において、いまさらCDの買い方の紹介もないだろうとは思いますが、これからエリントンを聴こうと思う人にとっては参考になるかもしれません。
いや、この時代だからこそ希少価値があるともいえるし、サンプリングする際のWAVEデータがほしい! なんて方がいるかもしれないので、備忘録代わりに記しておきます。
といっても、何もあやしいマーケットの紹介といった話ではなく、山ほど出ているエリントンのCD、そのベスト盤的なものの一部の紹介です。
まずは、これでしょう。
これをタワレコで目にしたときはショックでしたよ、いい意味でも悪い意味でも。
Eight Classic Albums: Duke Ellington
- アーティスト: DUKE ELLINGTON
- 出版社/メーカー: REGOJ
- 発売日: 2012/01/27
- メディア: CD
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わたしがシコシコ集めたものが、一気にこの値段で買えてしまう……!
若い世代を羨ましく思いました。
まあ、でも「いいこと」なのでしょう。
エリントンの音楽が、こんな安価で手に入れることができるのだから。
特に、廉価版の、時代もレーベルも無視して、なんの意図もなくテキトーに編まれた「エリントン・ベスト」なんかを聴くよりはずっといいと思います。
ただ、こういう音源を聴くときには注意してくださいよ、アルバムの区切りが分かりにくいし、なにより「これだけのアルバムを持っている!」という気持ちで満足しがちです。 ボックスセットを買ったときと同じです。
クレジットやライナーノーツも確認しにくいし、やっぱり1枚ずつ聴いていくのがイチバンですよ……
なんてわたしの考え(羨ましさ?)を無視して、さらにこんなものまで発売されました。
もう、なんだかよく分からなくなってしまったわたしは、結局、両方とも買っちゃいました。……収録されてるのは全部家にあるので、まったく買う必要はなかったんですけどね。
さて、LP時代の昔の名盤は、CD時代に比べて時間がそれほど長くないので、エリントンに限らず、上のように数枚をまとめて発売されています。特にジャズは多いですよね。
さらにエリントンではいろんな観点からコンピレーションが出ていて、おそらくコラボという観点からまとめられたのがこれ。
ELLINGTON - THREE CLASSIC ALBUMS PLUS
- アーティスト: DUKE ELLINGTON / JOHNNY HODGES / COLEMAN HAWKINS / COUNT BASIE
- 出版社/メーカー: AVID
- 発売日: 2016/03/12
- メディア: CD
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『Back to Back』『Side by Side』、ホッジスとのコラボを2枚入れるんじゃんくて、コルトレーンのアレと『マネー・ジャングル』にすればいいのに、と思ってました。でも、これはレーベルの問題で、そうはできなかったのでしょうね。
…と、思っていたら、すぐに出たんですよ。
みんな、考えることは同じなのでしょう。
これ、この年代で考えたらほぼ完璧じゃないですか。
HIS CLASSIC COLLABORATIONS: 1956-1963
- アーティスト: DUKE ELLINGTON
- 出版社/メーカー: ENLIGHTENMENT
- 発売日: 2017/11/03
- メディア: CD
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あとは、さかのぼってジャンゴを入れたり、エラやアリス・バブス、バイオリン・セッションがあれば完璧ですが、それはさすがにもう一歩マニアックな領域かもしれません。
さて、こんな企画はエリントンだけではありません。
最重要エリントニアンの一人である、ホッジスのものもあります。
Johnny Hodges: Seven Classic Albums
- アーティスト: Johnny Hodges
- 出版社/メーカー: Real Gone Jazz
- 発売日: 2012/06/26
- メディア: CD
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ホッジスはエリントニアン、というだけではなく、スイング時代の3大アルトの一人。また、「ホッジスの乱」でエリントンオケを抜けて自分のビッグバンドを率いていたこともあるし、コンボでも数多く活躍してました。
そのため、ちょっとスノッブなジャズファンの収集癖をくすぐるのでしょう。この4枚組CD、あっという間に完売。
今ではamazonで恐ろしい値段が付いてます。
油断してたら、わたしも買いそびれてしまいました…。
しかし、そんなに消沈することもありません。
最近、こんなのが出たんです。
収録されているアルバムは微妙に違いますが、まとめてホッジスを聴きたい、という欲望は満たされるのではないでしょうか。
次、いきましょう。
ホッジスのように、エリントン・オケ以外の活動で有名、活発なエリントニアンといえば、クラーク・テリー。
というか、クラーク・テリーはエリントニアンというより、マイルスの兄貴分だったり、長生きしたジャズ・ジャイアンツとしてのコンボ活動のほうが有名かも。
なので、当然このシリーズはクラーク・テリーのものもあります。
しかも2つ。
…続編まであるなんて、エリントンと並ぶ勢いじゃないですか!
ただ、よくみるとジミー・ハミルトンや、ポール・ゴンザルヴェスのリーダー作もあります。すべてがクラーク・テリーのリーダー作ではないので注意。
そして、何よりわたしが驚いたのはこれ。
なんとポール作品ばかりを集めた4枚組。
実は、ポールはスノッブなジャズファンのコレクター・アイテムでして、そんな方面からのニーズもあったのかもしれません。
でも、結構、セクションプレイヤーとしても活躍してるんですよ、ポールは。
『オースティン・パワーズ』にも使われたあの曲が収録された、クインシー・ジョーンズのアルバムにも参加してるし。
以上、エリントンのアルバムを安価で買うための、ディスク「購入」ガイドでした。