ちょっと興奮状態で書いてます。
ジョン・ゾーンのMASADA、いつから Spotify 解禁になったんですか!
1から10まで、全部聴けるじゃないですか!
76年代生まれの人間にとって、「ジョン・ゾーン」は大きな存在だ。
ジャズ全盛期のフリー・ジャズの文脈、または音楽におけるポスト・モダンを体現する人間として、80年代文化で最も輝いていたニューヨークを象徴する人間として。
当時の菊地成孔と同じく、アルト吹きだったことも大きい。
わたしも学生時代にかなり聴きました。
NAKED CITY と COBRA、Knitting Factory の諸作品。
ビル・フリゼールが好きになったのもこの文脈です。
もっと広い文化でいうと、玖保キリコの『シニカル』でもおなじみですよね。
この意味でも、とにかく80年代文化を代表する音楽家といえるでしょう。
その中でも、MASADA は特にカッコよかった。
浪人時代だったか、大学1回生の頃に、発売元でもあるディスクユニオンで定価で買った覚えがあります。
で、これがとにかくクールだったのだ。
アルト、トランペットの2ホーンのピアノレス・カルテット。
そのグルーヴと疾走感、そしておそろしくレベルの高い楽器コントロール力に基づいた音楽性。ジョン・ゾーンのことを勢いだけのパフォーマーと考えていたマスコミを黙らせるだけの力がありました。
この音楽にノックアウトされたわたしは、わかってもらえそうな人に貸しまくっていました。これ、ちょっと聴いたことのないハーモニー、音楽だよね。
これがジューイッシュ・カルチャーなのかな?
トランペットとアルトという編成は、やっぱりガレスピーとパーカーというモダンジャズの始祖に対するオマージュなのかな?
それとも、ユダヤ音楽には音程高めの2声メロディが高く評価されるのかな?
……でも、とにかくカッコいいよね。
しかし、学生の頃、後輩のドラマーに貸してそのまま行方知れずになったのを最後に、わたしは音楽と疎遠になってしましました。
しばらくたって、このシリーズを買い戻そうと思ったら、いつのまにかおそろしく高騰。
『MASADA 9』 なんて、amazon で15万くらい。
素晴らしい音楽だけど、これはちょっとありえない。。。
MASADAの他にも、Spotifyにジョンの音楽ないかな~と探してみても、MASADAほどは充実してないんですよね。NAKED CITY はあるけど 1st や『SPY vs SPY』はないし、玖保キリコジャケットのアレはなくて、なぜか東京の「吉凶部隊」のもの。これはこれで素晴らしいんですが。
あ、あえて言及を避けましたが、「マサダ」ってヘブライ語で「要塞」という意味なんです。マサダはユダヤ人であるジョン・ゾーンの、極めて政治性の高い音楽活動であると同時に政治活動なわけで、それは攻撃的な音楽性によく現れています。
Electric MASADA の音源も spotify で解禁されることを願います。