1974年の今日、5月24日は、エドワード・ケネディ・「デューク」・エリントンの命日だった(Edward Kennedy "Duke" Ellington 1899-1974, 享年75歳)。
1899年に生まれた公爵の人生は、そのままアメリカの大衆音楽史に重なる。しばしば「ジャズの父」と称されるエリントンが、ジャズシーンのエレクトリック化が一気に進んだ70年代前半に亡くなったのは象徴的な出来事と言える。
死因は肺炎・肺がん。「桜桃忌」「河童忌」などの文学忌に倣って、5月24日を「藍公爵忌」とするのはどうだろう。というのも、エリントンにとって、Blue / Indigo は生涯通じての守護色だったからだ。このジャケットなんか、それがよく現れてる(自己顕示が強すぎて、もはやジャケットに自分の顔が収まってないけど)。
エリントンの曲で「Blue / Indigo」 をテーマにしたものは数知れない。
「Mood Indigo」「Azure」「Blue Abandon」「Blue Light」「Indigo Echoes」…。
なにより、エリントンが自分の代表曲と考えていたのは「ムード・インディゴ」だろう。
さて、エリントンは「聖」と「俗」が同居する人物であるといえる。
いつも敬ってばかりいるのも気持ち悪いから、今日は「俗」なエリントンを眺めて追悼することにしよう。
【その1】エリントンはキス魔である。
まずはアリス・バブス。
バブスの視線が泳いでいるが、嫌がっているわけではない、たぶん。
2人の交流はエリントンの死の直前まで続く。
次にニーナ・シモン。
ニーナ・シモンもこのキスにヤラれた。
彼女はこんなエリントン曲集を残すことになる(62年)。
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レナ・ホーン危うし。
レナ、うしろ、うしろ~!
このエリントンの顔、キスだけでは済みそうにないぞ。
礼儀として、エラにも。
【その2】ピアニストだからか(?)指使いがエロイ。
卑猥な指使いをされてもまんざらでもなさそうなこの女性は、女優のルイーズ・フランクリン。1941年の写真らしいです。
それにしても、手、デカイなあ。
エロいのは指だけじゃない。
間近でこんな目で見られたら、わたしは逃げ出します(でも動けないかも)。
エリントンほどの器となると、別に性別にこだわりはない。
【その3】女性にちやほやされるのも、もちろん大好き。
露出度は、高ければ高いほどいい、のだろう。
「サイコー! 」という心の声が聞こえてくるかのようだ。
まちがえた。。。
これはスティーヴィー・ワンダー。
でも、エリントンも同じ表情を浮かべるはず。
もはやエリントンの行動のすべてがエロく見えてくる。
エリントンの存在自体がエロいのか、それともわたしがエロいのか。
パーカッションを抱え込むこの手付きもエロい。
まさに『Drum Is A Woman』。
やっぱり手がデカイ。
「modern music」なんて雑誌を読んでるようにみえるが、半開きの口、何かを撫で回し、まさぐるかのような右手……この顔は音楽のことを考えている顔ではない。内側に一体何の本を隠しているのか。まるで中学生だ。
ソニー・グリアの楽器庫にはいかがわしいものがたくさん詰まっていたらしい。
それがグリーアをクビにできなかった理由の一つとか(ウソ)。
極めつけは、このプライベート中のプライベートな写真。
エリントンの意図がどこにあったのかわからない。
自己顕示欲・露出欲、ここに極まれり、ということか。もしかして、ホリエモンならわかるのだろうか。
(わたしが初めてこの写真を見たのは、今はなき日本版エスクァイアのJazz特集号だった)
【追悼】
さて、Sir Duke、あなたがどれほどエロく、変態であっても、あなたの音楽の価値は高まりこそすれ、減ずることはありません。
あなたの音楽は、ここ、後世の極東まで届いています。
Rest In Peace, ミスター・エリントン。