Kinda Dukish (かいんだ・でゅ~きっしゅ)

「デューク・エリントンの世界」別館。エリントンに関することしか書いてません。

「歌モノ」エリントン(01) 瀬川昌久 presents デューク・エリントン。(05)

 こんにちは。 satoryuhです。

瀬川昌久氏によるエリントン紹介、最後のエリントンは「歌モノ」。ボーカルものである。 

瀬川昌久氏も個人的に熱を入れているエリントン・サウンドのようで、その紹介にも熱が入る。

 

スウィング!presents デューク・エリントン・ベスト

スウィング!presents デューク・エリントン・ベスト

 

 

4.

作品のメロディが魅力的な故に、歌詞をつけてジャズ・ボーカルのスタンダードになった多数の歌曲――エリントン楽団専属歌手によるオリジナル・ボーカル。

 

 

《Ⅳ 専属歌手によるボーカル・ナンバー》

10. チョコレート・シェイク (1941年 withアイヴィ・アンダーソン)
11. ガット・イット・バッド (1941年 withアイヴィ・アンダーソン)
12. ジャンプ・フォー・ジョイ (1941年 withアイヴィ・アンダーソン)
13. ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト (1944年 withジョーヤ・シェリル)
14. キッシング・バッグ (1945年 withジョーヤ・シェリル)
15. 歌を忘れよう (1945年 withジョーヤ・シェリル)
16. ザ・ワンダー・オブ・ユー (1945年 withジョーヤ・シェリル)
17. ジャスト・スクイーズ・ミー (1946年 withレイ・ナンス)
18. トランスブルーセンシー (1946年 withケイ・デイヴィス)
19. ラヴァー・マン (1946年 withマリオン・コックス)
20. セントルイス・ブルース (1946年 withマリオン・コックス)

 

さあ、始まるぞ。

瀬川氏は戦前時代からのミュージカルの専門家でもある。なにしろこんな著作もあるくらいで、今回のエリントンのベスト盤の編集、実はこの「歌モノ」こそ瀬川氏が一番力を注いで選曲したものではないだろうか。 

 

舶来音楽芸能史―ジャズで踊って

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 ●エリントン楽団の専属歌手たちによるボーカル・ナンバーの数々


従来エリントン楽団演奏のベスト盤を組む際、著名なインストゥルメンタルが主流で、ボーカル物は看過されがちであった。しかし今日のボーカル界では、エリントンの唄物が大変広く歌われており、その殆どは、エラやサラ・ヴォーンら有名歌手が歌ったものが手本にされていて、エリントン楽団の歌手によるオリジナル歌唱があまり研究されていない。ここでは、エリントン楽団の歴代歌手によるヒット曲を集めて、ボーカル愛好家やボーカリストの参考に供したく、11曲を厳選した。

 *尚エリントン楽団に在団してツアーを共にした歌手でレコーディングを残したもののリストを次に上げておく。

 
エリントン楽団の主要専属歌手
〈女性歌手〉

 

● アイヴィ・アンダーソン

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(Ivie Marie Anderson, 1905 - 1949)
【在団期間: 1931年2月~1942年8月】

 

● ベティ・ロシェ

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(Mary Elizabeth "Betty" Roché, 1918 – 1999)
【在団期間:1942年8月~1944年春、1952年夏~1953年2月】 

 

ジョーヤ・シェリル 

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(Joya Sherrill, 1924, 8/20 - 2010, 6/28)
【在団期間: 1942, 44年8月~46年春】 

 

● ケイ・デイヴィス

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(Katherine McDonald Wimp, 1920, 12/5 - 2012, 1/27)
【在団期間: 1944年8月~1950年7月】 

  

● マリオン・コックス

Marion Cox
【在団期間: 1946年5月~1947年2月】

 

● ドロレス・パーカー

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 (Doroles Parker, ca.1920 -)
【在団期間: 1947年9月~1948年春】

 

● ルー・エリオット

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(Lu Elliot, 1924, 8/3 – 1987, 3/5)
【在団期間: 1949年8月~1950年3月】

 

・イヴォンヌ・ロナーゼ

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(Yvonne Lanauze, Eve Smith, ca. 1927 -)
【在団期間: 1950年10月~1951年2月】

 


〈男性歌手〉 

ハーブ・ジェフリーズ

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(Herb Jeffries, born Umberto Alexander Valentino, 1913 – 2014)
【在団期間: 1940年1月~1942年秋】

 


アル・ヒブラー

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(Albert George "Al" Hibbler, 1915 – 2001)
【在団期間: 1943年8月~1951年秋】 

 

う~ん、壮観だ。

この中でも最重要なのがアイヴィ・アンダーソン。

客寄せのための女性シンガーとして、しかも候補者の中で「色が黒い方」という理由で選ばれた彼女だが、その才能・表現力はズバ抜けていた。共演後、エリントンオケ初の専属の女性シンガーとなる。「So Far, So Good」「Mw And You」などブラントン・ウェブスター・バンドでの録音も残されているのも嬉しい。在団期間も長く、エリントンオケの専属シンガーといえば、まずはアイヴィ・アンダーソン。ファンも多くてニーズがあるのだろう、アイヴィのボーカルをピックアップした編集盤も出てる。

 

 

見返り美人」なアイヴィはグッドだが、4隅にいるエリントンはバッド。
ガット・イット・バッド。…このジャケット、もう少しなんとかならなかったのだろうか。内容が素晴らしいだけに残念。

 

10. チョコレート・シェイク (1941年)
Chocolate Shake / vo.アイヴィ・アンダーソン
 アイヴィ・アンダーソン(Ivie Marie Anderson)は、1905年7月10日、カリフォルニア州ギルロイ生まれ、20年代初めからニューヨーク・ハーレムの「コットン・クラブ」に出演し、ダンス・バンドで歌ったが、1931年ニューヨークのパラマウント劇場でエリントン楽団と共演し、以来1942年8月まで同楽団の専属歌手として行動を共にし、多くのレコードを吹き込んだ。有名な「スウィングしなけりや意味がない」の初吹込で歌った他、数多のヒット曲を出したが、慢性気管支喘息を患ったため、バンドを退団し、ロスアンゼルスにレストランを開いて歌ったりしたが、1949年12月28日同地で死去した。魅力的な声で軽快にスウィングして人気があった。ここには、数多のレコーディングの中から、3曲を選んだ。
 この曲はアップテンポのスウィンガーでデュークとベン・ウェブスターの共作、バンドの演奏がすさまじい熱気とドライブ感を出すのに対して、アイヴィは少しも憶することなく堂々とリズムに乗り切っている。題名通り、トランペット・セクションのシェイクがラストに効果的に使用される。

 

11. ガット・イット・バッド(1941年)
I Gol It Bad (And That Ain't Good)  / vo.アイヴィ・アンダーソン
 この曲もデュークとウェブスターの共作で、録音も同じ1941年6月26日。AABA32小節のテーマを、ジョニー・ホッジスのasのクリーミーなソロに続けて、アイヴィが歌う。映画にも使用されてヒットし、多くの歌手が歌うスタンダードになった。


12. ジャンプ・フォー・ジョイ(1941年)
Jump For Joy / vo.アイヴィ・アンダーソン
 デュークは、1941年夏ロス・アンゼルスで、自作のミュージカル「Jump For Joy」を上演し、バンドを率いて毎日舞台で演奏した。その時主題歌として作曲したのがこの曲で専属歌手だった男性のハープ・ジェフリーと女性のアイヴィに舞台で歌わせるため、1941年7月2日、ハリウッドで録音した。AABAC36小節の構成で、アイヴィのボーカル版を収録した。アップテンポの非常に軽快なスウィンガーで、思わず踊りだしたくなるようなリズムで、恐らく舞台上で、ボーカルに合わせて、ダンサーが流行のリンディ・ホップを踊りまくったのであろう。アイヴィのボーカルも快調で、ショー・ナントンのミュートtbとジョニー・ホッジスのasも気持ち良さそうにスウィングする。

 

「ブラントン・ウェブスター・バンドのアイヴィ・アンダーソン」は、

エリントンを聴く理由のひとつに数えることができるだろう。

1999年に出たリマスター版は音質もよくて、一度聴き始めるとずっと聴いてしまう。

 

ブラントン=ウェブスター・バンド(1940-1942)

ブラントン=ウェブスター・バンド(1940-1942)

 

 

ボーカルの面々でお腹がいっぱいになったし、長くなったので続きは次回。

今回はアイヴィ・アンダーソンしか追うことができなかった。。。