Kinda Dukish (かいんだ・でゅ~きっしゅ)

「デューク・エリントンの世界」別館。エリントンに関することしか書いてません。

「エリントン/ストレイホーン問題」はここにも。『サイド・バイ・サイド』(野口久光)

野口久光氏のレビューでエリントンを辿るシリーズ、今回はホッジスの『サイド・バイ・サイド』。録音や発表の経緯を探ると、この作品、管理人は「エリントン/ストレイホーン問題」の影がみえると思うのだが…とりあえず、野口氏の紹介文を見てみよう。

 

サイド・バイ・サイド

サイド・バイ・サイド

 

 

サイド・バイ・サイド』 デューク・エリントンとジョニー・ホッジス (Verve)

広告やジャヶツトにはエリントン楽団となっているがエリントン(p)と長年同楽団のスター奏者として名声をもつジョニー・ホッジス(as)が、中心となってレコーディングのために編成した六、七重奏団の演奏集で、ここに集められたサイドメンは旧エリントン・メンバーが主に選ばれている。エリントンとしては彼の楽団を離れ、ホッジスらを誘ってピアニストとして気怪なスウィング・コンボのセッションを行なおうというわけで、きく方もオーケストラのカラーを期待しないことである。曲目(九曲)は大体エリントン楽団のレパートリーから選んでいるし、ふたりのほかに、ベン・ウェブスター、ロイ・エルドリッジ、ハリー・エディソン(tp)、ローレンス・ブラウン(tb)、クインシーのバンドで注目されているレス・スパン(g, fl)、ビリー・ストレイホーン(p)、ジョージョーンズ(ds)といった主にスウィング派のベテランがふた組に分かれてコンボをつくっている。このLPのききどころはホッジスのアルトだが、楽団演奏の時にはあまりソロを弾かないエリントンのピアノや、ベン、ロイらもモダン奏者の中に讃美者が少なくないという実力のほどをみせてくれる。スタイルのせいもあって第二次大戦中のジャズの匂いがするが、吹込みは最近のもの、ステレオなのも結構である。いかにもグランツ好みの企画であり、モダン一辺倒のファンには不向きであろう。(『レコード藝術』61年11月号)

食い足りないなあ。

冒頭にも書いたように、録音や発表の経緯を探ると『Side by Side』は「エリントン/ストレイホーン問題」が潜んでいる作品であり、それは『Back to Back』と並べて考えることで明らかになる。

これについては以前このブログでも書いた。

 

 

・・・あまりにも正直なルー・ドナルドソンの言葉。誰もが一度は同じ事を考えたに違いない。・・・『Side by Side』は、元々エリントン抜きのホッジス作品を吹き込もうと考えて行われたセッション(58年録音)がベースになっている。それにエリントンが加わった59年の録音が付け加えられて「エリントン&ホッジス」名義で発表された。これは、エリントンの横槍によるものか、それともむしろ自分の名前を入れて発表しやすくするためのエリントンの懐柔策か。いずれにせよ、割を食ったのはストレイホーン。58年のセッションのピアノはすべてストレイホーンが弾いているのだが、すっかり影が薄くなってしまった。・・・そんなことを書いた。

ということで、象徴的なイラストを一枚。

f:id:Auggie:20120504120143j:plain