Kinda Dukish (かいんだ・でゅ~きっしゅ)

「デューク・エリントンの世界」別館。エリントンに関することしか書いてません。

「エリントン年表」作りました。

2017年4月29日はエリントンの生誕118年。

これを記念して、「エリントンの年表」を作成しました。

 


といっても、管理人がイチから作り上げたわけではなく、元ネタとしてはDavid Bradburyの『Duke Ellington, Life & Times』の巻末の年表を参考にしました。この本、本館でも既に紹介していますが、コンパクトながら要所要所の事実がおさえられており、とても重宝します。

 

Duke Ellington (Life & Times)

Duke Ellington (Life & Times)

 

 


完成した年表は、上記のBradburyの年表に管理人がさらにいくつか事実を追加したもので、Bradbury の年表から削除した事項はありません。

 

年表を作ってみて確認できたことは多く、とても勉強になりました。

『Black, Brown, & Beige』録音の辺りまでは絶好調で音楽的・世俗的なキャリアを一気に上り詰めるものの、その直後にブラントンの夭折、ベンウェブの退団、ホッジスの乱とバンド内部のゴタゴタにビバップの隆盛が重なり、公私共に勢いは減速。

その後、55年体制を確立してからは56年のニューポートで世間的にカムバックし、ストレイホーンの死まで異種格闘技戦を繰り広げながら名声をほしいままにすします。

晩年はやや老境の域に入り、自身の初期の音楽の振り返りをしながらも、ピカソのような衰えぬ創作意欲で新作を発表。

 

あと、女性関係がなかなかにぎやかなのも興味深いです。

なにしろ、母の死で深い失意に落ち込んで「Reminiscing in Tempo」を書いたくらいのエリントン。女性関係も創作に影を落としているはずなのです。

これは今後の課題です。

 

それと、今更ですがエリントンの誕生日が昭和天皇と同じ、というのには不思議な縁を感じます。誕生年も2年違うだけだし(エリントンは1899年、昭和天皇は1901年)。そのおかげで、毎年休日にゆっくりとエリントンを追悼することができるのは嬉しいことです。

 

最後は有名なマイルスの言葉を。

 

"At least one day out of the year all musicians should just put their instruments down, and give thanks to Duke Ellington."    -Miles Davis

 

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